山本七平の書籍を徹底紹介します。

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 |山本 七平

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条
山本 七平
角川書店 (2004/03)
売り上げランキング: 8,294
おすすめ度の平均: 4.67
5 日本社会に関する重要な問題提起
5 大東亜戦争に対する真の目線
5 組織の非合理性を理解し、あるべき姿を学べる本

(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)


●著者は、太平洋戦争で日本が敗れた原因は、
 日本人に固有の特性によるものであり、
 その特性は、現在でも変わっていないとしています。


●たとえば、わが社には技術力がある!と社長が言っていたとしても、
 その技術力とは、関係会社の現場の担当者が独力で仕事を覚えて、
 職人として頑張っているだけだったりするわけです。

 ・「日本軍の強さ」なるものの謎は一体なんなのであろうか。
  それは一言でいえば、中小企業・零細企業的な強みなのである。
  (p179)


●上が無能でも、現場がなんとかこなしてしまうという状況では、
 無能な人が出世できるのが日本なのかもしれません。

 ・軍人たるや、自らの専門である軍事知識さえまことにあやしげで、
  アメリカ軍の装備や編成についてすら、何も知らなかったのが実情で
  あった。そしてこの奇妙な現象は、常に日本に発生するのである。
  (p54)


●また、こうした状況が原因なのかもしれませんが、
 達成不可能な目標を掲げたりするのも日本人の特徴であり、
 温室効果ガスの排出制限の目標設定など、その最たるものでしょう。

 ・「軍の計画はその意気を示すだけである」といった人が
  あったが、歩いてみて、つくづくそう思わざるを得ない
  事ばかりだ。(p293)


●さらに、合議制のため、ひとつの戦略を推し進めたり、
 極端な方針転換ができないなど、外部から見るとまったく意図を持たずに
 行動しているように見えるのでしょう。

 ・当時日本を指導していた軍部が、本当は何かを意図していたのか、
  その意図は一体何だったのか、おそらくだれにもわかるまい。というのは、
  日華事変の当初から、明確な意図などは、どこにも存在していなかった。
  ただ常に、相手に触発されてヒステリカルに反応するという「出たとこ
  勝負」をくりかえしているにすぎなかった。(p65)


●私も日本人であるかぎり、そうした傾向はあるはずです。
 自戒するためにも繰り返し読みたい一冊として★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・奇妙なことに、精兵主義があれば精兵がいることになってしまい、
  強烈な表現の軍国主義があれば、強大な軍事力があることになって
  しまう。これはまことに奇妙だが、形を変えれば現在も存在する
  興味深い現象である。(p75)


 ・根本的には、日本の「タテ社会」に基因する、陸海に共通する
  決定的な「タテ組織」にあったのであろう。これは単に陸海の
  不協力だけではなく、陸軍内の空地・歩砲の協力すら行わせない
  ほど徹底していた。(p176)


 ・日本人は命を粗末にする(小松真一)(p227)

「日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条」山本 七平、角川書店(2004/3)¥820
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)

【山本七平の経歴】
1921年生まれ。

青山学院高商学部卒。戦時中は、砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦。

戦後1956年、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。

1970年、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』が山本書店より発売される。なお、イザヤ・ベンダサンは山本七平本人である。

1991年死去。


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