山本七平の書籍を徹底紹介します。

私の中の日本軍 (上) |山本 七平

私の中の日本軍 (上)私の中の日本軍 (上)
山本 七平
文芸春秋 刊
発売日 1983-01
価格:¥540(税込)




面白い、しかしやるせない 2005-04-04
面白いです。しかし、やるせなさを同時に強く感じてしまいます。面白さは、その鋭い論理と観察眼の存在で、やるせなさは生々しく語られた軍隊の実態を眼のあたりにしてしまうことなのだと思います。本書の中で軍隊の実態は、この論理と観察眼のもとに次々と「虚構」と化していきます。この「虚構」の論理が面白く、しかし同時にどうしようもなくやるせない実態を明らかにしていきます。
日本の軍人は日本軍なるものの実情を本当に見る勇気がなかった、と著者は語っています。彼らの念頭に会ったのは「トッツク」(上からの私的制裁。叱咤と罵倒、暴力)と「イロケ」(上への媚び、へつらい)が生み出す虚構の世界であり、著者は「日本を滅ぼした原因の一つはこれだと思っている」と言明しています。
日本軍は満足な食料も武器も供給できず、比島では現地の人間や文化と摩擦ばかりを起こし、余りに非現実的な命令を繰り返し、この実態の中で兵士は次々と倒れていきます。「虚構」とはこうも悲惨なのか、「虚構」を支えるとはこういうことなのか、こうした問題意識をひとりひとりが持つべき、と理性的に頭は考えますが、読み終えたとき、もう一度、読み返す気力は僕にはありませんでした。


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この記事は2006/8/29に作成しました。

【山本七平の経歴】
1921年生まれ。

青山学院高商学部卒。戦時中は、砲兵少尉としてフィリピン戦線を転戦。

戦後1956年、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。

1970年、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』が山本書店より発売される。なお、イザヤ・ベンダサンは山本七平本人である。

1991年死去。


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